JUN. 06, 2004
■ 給水設備入門講座
(*)開講のことば
この講座は「水道ってどうなっているの、どうすれば水がチャンと出るの」という疑問をお持ちの方のために開いています。
できるだけ簡単な表現で説明しますが、内容は建築設備の設計者が必要とすることを全部お伝えしたいと思います。
この講座を受講した人は専門家の嘘も、間違いもみんな分かってしまいます。
それはともかく、自分の家の水道の設計くらいは出来てしまいます。
(1)水が出るということは
Fig.1は水道の基本的な最も単純な構造です。
先ず、水を取り出す部分(水源)に水を動かす何らかの力が必要です。
(これを「保有圧」と呼びましょう。ここではその大きさを P0 としておきましょう。)
水源から蛇口までを考えてみましょう。
1つ目には 水源から蛇口まで水を持ち上げる力が必要です。
(これは「実揚程」といいます。ここではその大きさを P1 としておきます。)
2つ目は パイプの中の水には水の移動を止めようとする力が働きます。
(これを「配管摩擦損失」といいます。
ここではその大きさを P2 としておきましょう。
この力は水を移動させる力と同じです。)
3つ目に必要な力は 蛇口の中を水が通り抜ける力と水が蛇口から飛び出す力です。
(これを「器具使用圧力」または「器具作動圧力」と呼びます。
ここではその大きさを P3 としておきます。)
つまり「水源の保有圧は3つの力の合計以上あればいい」ことになります。
水源の保有圧は実揚程と配管摩擦損失と器具使用圧力の合計以上あればいい。